戦争と物流危機|ホルムズ海峡封鎖が日本の貿易に与える影響【2026年5月最新】

2026年2月末、米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃をきっかけに、世界のエネルギー輸送の大動脈であるホルムズ海峡が事実上の機能停止に陥りました。この影響は石油・ガスにとどまらず、国際物流全体に深刻な打撃を与えています。

当社は通販・卸売事業や中国を中心とした貿易事業を展開しており、今回はこの問題が日本の企業活動や私たちの暮らしにどう影響するのかを整理してお伝えします。

ホルムズ海峡で何が起きているのか

ホルムズ海峡はペルシャ湾からアラビア海へ抜ける狭い海路で、世界の海上原油輸送量の約2割がここを通過します。日本が輸入する原油の約9割は中東産で、そのほとんどがこの海峡を経由しています。

2026年3月2日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡の封鎖を宣言。以降、主要海運会社(Maersk、MSC、CMA CGM、日本郵船、商船三井、川崎汽船など)がペルシャ湾内への航行停止を決定し、平時には1日130隻前後が通過していた海峡の通航量は、一時1日数隻にまで激減しました。

4月に入り一時停戦が成立したものの、その後再び封鎖が宣言されるなど、2026年5月時点でも不安定な状態が続いています。

「紅海」と「ホルムズ」——二重の物流危機

実はホルムズ海峡だけではありません。紅海・スエズ運河ルートも依然として不安定で、多くの船舶が南アフリカの喜望峰を経由する迂回ルートを取っています。

中東〜日本間の輸送では、喜望峰経由で航海日数が10〜14日程度増加。これにより輸送コストの上昇、納期の遅延、在庫管理の負担増が同時に発生しています。

日本企業への具体的な影響

影響の広がり

岡山県の調査では、県内製造業の43%、商業の47.7%が中東情勢によるマイナス影響を報告。約9割の企業が原材料価格の高騰を指摘しています。

エネルギー価格の高騰

原油先物価格の高騰により、ガソリン・軽油・電気料金が上昇。全日本トラック協会によると、石油販売会社から軽油の供給制限や大幅な値上げを通告されるケースが相次いでいるとのことです。物流コストの上昇は、最終的に商品価格に転嫁される可能性があります。

製造業への波及

石油化学原料(ナフサ、エチレン等)の供給が滞り、2026年4月にはTOTOがユニットバスの新規受注停止を発表、LIXILも納期・価格への影響を公表しました。建材・塗料・特装車など幅広い業界に影響が出ています。

海上保険の適用除外

主要保険会社がホルムズ海峡・ペルシャ湾向けの戦争リスク保険を一斉にキャンセル。保険がなければ船は動けず、「政治的な停戦」と「物流の正常化」は別問題であることを実感させられます。

貿易に携わる企業として考えること

当社は中国を中心とした貿易事業を展開していますが、今回の危機は「特定のルートに依存するリスク」を改めて浮き彫りにしました。

今後重要になるポイント

  • 調達ルートの分散——単一ルートへの依存を減らし、複数の調達・輸送経路を確保する
  • 在庫の見直し——リードタイムの延長を前提とした在庫戦略の再構築
  • 情報収集の強化——地政学リスクを日常的にモニタリングし、早期に対応する
  • 取引先との密な連携——納期変更や価格改定の可能性について、事前に共有しておく

今後の見通し

2026年5月時点では、ホルムズ海峡の完全な正常化は見通しにくい状況です。海峡の再開が「核交渉」「制裁」「軍事圧力」などの政治案件と絡み合っているため、企業としては短期で解決するシナリオだけでなく、長期化するシナリオも想定して備える必要があります。

日本政府は石油備蓄の放出や補助金による価格抑制を進めていますが、備蓄には限りがあり、根本的な解決には国際情勢の安定が不可欠です。

まとめ

遠い中東の紛争に見えても、それが私たちの日常生活や企業活動に直結する時代です。商品の仕入れ価格、輸送コスト、納期——あらゆる面で影響が出ています。

当社では引き続き最新の物流情勢を注視しながら、お客様に安定した商品供給ができるよう努めてまいります。商品の調達や貿易に関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

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※本記事は2026年5月時点の公開情報をもとに作成しています。情勢は日々変化しますので、最新の状況については関係機関の公式発表をご確認ください。

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